ブログ「女将日記」
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2026年9月11日 No.20 羽衣楼はじまりの物語 〜1周年感謝を込めて〜
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おかげさまで、羽衣楼(ういろう)は、無事に開業1周年を迎えることができました。
当館を訪れてくださった方ゲストの皆さま、
そして温かく見守ってくださった地域の方々、
応援し支えてくれた大切な友人たちに、心より感謝申し上げます。
今回は1周年の節目として、当館の原点である
「羽衣楼はじまりの物語」を少しお話させてください。
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すべての始まりは、7年前に父が他界したことでした。
東京の実家でひとり暮らしとなった母は横浜生まれ。
「子供の頃のように、海を見て暮らしたい」と希望していました。
そこで、熱海の高齢者ケア付きマンションへと移住しお世話になることに。
東京で仕事をしていた私は、近いし行き来すれば大丈夫!と通っていました。
しかし、その後に訪れたコロナ禍で思うように熱海へ足を運べなくなったのです。
「有事の際、母を熱海でひとりにしたくない」
その強い想いから、私も移住と転職を決意し、熱海周辺で物件を探し始めました。
ある日の夕方、気になっていた物件を見に行こうとしたものの、
なぜか車で目当ての場所に辿り着けず、同じ場所をぐるぐるしてしまいました。
日が落ちてきたため諦め、予約していた宿へ向かう道すがら、
ふと風情のある木戸門が目に飛び込んできました。
なんと「売り物件」の文字が!
しかし来宮駅からほど近く、あまりに立地が良かったため、
「きっと予算オーバーで無理だろうな」とその場は素通りしました。
ところがその夜、宿でチェックしていた物件リストを再確認すると、
先ほど見かけた木戸門のある物件がリストに入っていたのです。
写真の角度が違っていたため、一見して分からなかったのです。
可能性はあるかもしれない。。。?
さらにその夜、不思議な夢を見ました。亡くなった父が現れ、こう言ったのです。
「お前はいつも一生懸命頑張ってて偉いな。
父さんから松の木をやるよ。母さんを宜しくな」
目覚めた後も印象的な夢でした。
朝食もそこそこに、昨日見かけた物件へと車を走らせました。
そっと木戸門に手をかけてみると、スルっと静かに扉が開きました。
良くないな、と思いながらも、その場から少しだけ木戸の先を覗き込んでみると
そこには、とても小さな「松の木」がちょこんと佇んでいたのです。
中もちゃんと見てみたい!と、すぐに不動産屋さんに連絡をとり、
正式に内見をして、この場所を引き継ぐことを決めました。
はじめは何もない、がらんとした古民家と、まだどこか寂しげなお庭。
後日、母を伴って中を見せた時、母は嬉しそうにこう言いました。
「生まれて育った家に似ていて落ち着くわ」と。
その言葉を聞いたとき、この選択が間違っていなかったことを噛み締めました。
そして私は、建物の裏手にそっと祀られている弁財天女さまと、
見上げるほどに大きな桜の木に出会いました。
天女の羽衣のように優しく、訪れる人を包み込み、安らぐ場所にしたい。
そんな想いから、この館を「羽衣楼(ういろう)」と名付けたのです。
私は鈍感で、あまり不思議な体験をしたことはありません。
自分の心が見せた、少しだけ印象的な、はじまりの物語。
ここから、どうやって今の設えになっていったのか。
根っこだらけの庭を日本庭園に生まれ変わらせたり、
温泉や設備を整えていったり、家具を選んだり。
お伝えしたいストーリーが沢山ありますが、
それはまた次に機会に聞いてくださいね。
追記:9月9日 母80歳のお誕生日おめでとう。
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あれから月日が流れ、古き良き気品を残した140平米の空間には、
大正浪漫の華やかさと昭和レトロの日常感が混在し
「あの頃の憧れと、今必要な優しさ」が整いました。
毎日1500ℓもの自家源泉が注ぎ、夜の庭園には温かな光が灯るようになりました。
あの日偶然に出会った木戸門の先には、
今ではたくさんのゲストの皆さまの笑顔と温かな物語が広がっています。
日常を離れ、大切な人と自分たちのペースでゆったりしっぽり過ごしたくなったとき。
いつでも熱海の我が家へ帰る心持ちで「ただいま」とお越しくださいね。
2年目を迎える羽衣楼も、心を込めて皆さまをお迎えしてまいります。
これからも羽衣楼を、どうぞよろしくお願いいたします。
羽衣楼 女将